Pat Moran ― 2008/08/30 21:34
1957年12月にシカゴで録音されたパット・モーランのComplete Trio Sessionsというタイトルのアルバム。このトリオのベースはなんとあのスコット・ラファロなのだ。スコット・ラファロはこのとき21歳、交通事故でなくなる4年前の録音ということになる。このころからやや奔放なバッキングスタイルの兆しはみえるもののやはりまだそれはオーソドックスな形式の範囲内で暴れているという程度。ときどきピアノの後を追いかけつつそのままソロに入るところがなかなかいい。
Steve Kuhn ― 2008/07/20 09:56
タイトルは「1960」。スティーブ・キューンのリーダーアルバムというだけならそれほど興味はなかったんだけど、あのスコット・ラファロの貴重な音源ということになると話は別だ。1960年11月29日にインドで録音されている。スティーブ・キューン、スコット・ラファロ、ピート・ラロカの3人はもう昔からトリオを組んでいたかのようにぴったりと息のあった演奏をしている。
こんな音源が40年以上も眠っていたなんて、それも驚きだけど、そういう可能性もあるんだなと。いずれにしても1961年に交通事故で死んでしまったスコット・ラファロがこんなふうに1年前にキューンと演奏をしていて、まだ手探り状態だったモード奏法を実験的に試したりしていることがわかったのもうれしい。
Dan Nimmer ― 2008/06/29 09:44
Venusレコードからダン・ニマーの3枚目のアルバム"Yours is my heart alone"がでた。1曲目を聴いた瞬間にオオッ!という感激と満足感。うーん、この人は期待を裏切らない。オスカー・ピーターソンを「ヒーロー」と仰ぐこの人の演奏はジャズの名盤を徹底的に聴いて学んだ真摯で誠実な人柄がにじみ出ている。
ギル・エヴァンス,レッド・ガーランド,アートブレイキー, クレア・フィッシャー,アーマッド・ジャマル,ウェス・モンゴメリー, パット・マルティーノ,クラーク・テリー,ベニー・カーター,ルイス・ナッシュ, ベニー・カーター, アストラッド・ジルベルト,スタン・ゲッツ,ケニー・ドーハム,ポール・チェンバースなど、それぞれのジャズジャイアントの名演奏を消化してモダンジャズのスウィング感を現代によみがえらせてくれる。
リズムセクションもとてもいい。ベースはビル・チャーラップトリオでもおなじみのPeter Washington, ドラムスはトミー・フラナガンや大西順子トリオにも参加していたLewis Nash。こうなるともう最強トリオでしょう。
このアルバムは本国ではリリースされていないみたい。日本人好みなのかなぁ。ソニー・クラークみたいに。
日本にお兄さんが住んでいるらしくプライベートでも2回来ているとのこと。ウィントンのビックバンドで横浜みなとみらいに来た・・・ということはそのときに僕も聴いていることになるけど、ビックバンドのピアノは目立たない。是非ピアノトリオで来日してほしい。来日公演を実現してくれたら絶対に聴きに行く。できればニューヨークに聴きに行きたいくらいなんだけど。
Herbie Steward ― 2008/06/07 14:47
ハービー・ステュワードのCDは初めて買ったし、そもそもあまり知らなかった。いわゆるジャケ買い。でもとてもよい買い物でした。何回も聴いています。1992年に来日したときの関内ホールでのライブ。ということはこの方はもう?
それにぼくがHMVで買ったこのCD,999枚しかプレスされていない限定盤でその120枚目なのでした。うーむ、やっぱり買ってよかった。
とくに好きなのは2曲目のシャレード。クラリネットでこんな感じの演奏は聴いたことがない。なんかとても人間らしいというか、人のぬくもりのようなものが伝わってくるとてもいい演奏だとおもう。
近頃のジャズと来たらどうも奇をてらったというか、私の演奏はどうよ、みたいな前に出すぎるものが多い。きちっとした技術をもって抑制された品のよい演奏をする人が少なくなったように思う。
サックスもいい。まぁ、もちろん「モダンテナーサックス・スタイルのパイオニア」というキャッチだから当然なんだけど・・・。4曲目「Memories of You」もいいなぁ。いい顔しているなぁ。ライブを聴きに行けなかったのが残念。
こういう人たちの演奏をしっかり残しておいてくれた関係者にも感謝しつつ、もう一度聴く。
松永貴志 ― 2008/05/03 16:42
松永貴志くんの2年ぶりのアルバム「地球は愛で浮かんでいる」。
タイトルはちょっとくすぐったいけど、ほとんど彼のオリジナルで全体的にはなかなかよいです。
「残酷な天使のテーゼ」は新世紀エヴァンゲリオンのテーマ曲をカバーしたもの。「神戸」はこの前の「無機質オレンジ」に入っていた曲の別バージョン。
8曲目の「パウエル・サークル」は文字通りパウエルっぽくて、即興的にアレンジした部分も入っていてなかなかよいです。こういうアレンジはやはり天才的に上手ですね。ただ、全体的にスウィング感という意味では今ひとつ乗れないときがあります。日本人のピアニストは、山中千尋なんかもそうだけどどうしてもメロディー重視的になりがち。もちろんその方が日本人受けはするのだろうけど、やはりせっかくのリズムセクションをもうちょっと生かしてほいしい。
だからってまぁ、上原ひろみみたいにやりすぎちゃうとはちゃめちゃになっちゃうし、難しいところです。うーむ、そういえば上原ひろみとチックコリアのコラボCD、まだ聴いていないけど、聴いてみたいような・・・そうでもないような。
Larry Brown ― 2008/04/29 13:02
ラリー・ブラウンのPeace.HMVで視聴して買ったのだけど、家に帰って何回聴いても印象に残る曲がない。「正統派のピアノトリオ」っていうHMVがつけたキャッチに誘導されてしまった感。それでもまぁ、悪くはないのです。悪くはないのですが、あくびがでる。もちろん自分の好みの問題なのだけど、ジャズってある意味ではその演奏に気合いを入れるっていうか、自分の表現をぶつける感じがないと、漫然と弾いているように聞こえてしまう。無難におさめてる感じ。
唯一、7曲目の"Spring Can Really Hang You Up The Most"はいい。何でいいんだろうと思ったら、この曲だけピアノトリオにトロンボーンが加わってドラムスも入れ替わっている。トロンボーンはJerry O'Sullivan, ドラムスはLeland Nakamura。この二人が入ったことでちょっと「やる気」が見えてきた。ピアノものってきた。うう、いいんじゃない?
春風亭小朝 独演会 ― 2008/04/28 09:03
小朝の独演会に行ってきました。
やっぱり落語はいいな、古典はいいな、小朝はいいな。
2008年4月27日12:00開演 読売ホール
1.春風亭ぽっぽ 「悋気の独楽」
2.春風亭小朝 「天狗裁き」
3.ロケット団 漫才
4.春風亭小朝 「文違い」
――仲入り――
5.林家木久蔵 「たいこ腹」
6.春風亭小朝 「井戸の茶碗」
Bill Evans ― 2008/04/26 23:47
古いアルバムをまた聴きなおしている。ビル・エヴァンス、フレディー・ハバード、ジム・ホール、パーシー・ヒース、フィリー・ジョー、こんな豪華なメンバーはそうそう揃わないです。まさにタイトル通り「Interplay」の饗宴です。
でもやっぱりエヴァンスがいなければ成り立たない。そういう意味でこの時代にこの人がいなかったらジャズは大きな穴が開いたままになっていたのではないかと思うくらいに。
1962年7月16日にニューヨークで録音している。スコット・ラファロが亡くなってまだたったの1年、不屈の人エヴァンスは強い。でも薬に頼っていたかも・・・。
このアルバムでフレディー・ハバードがいい味出してます。
Sonny Rollins ― 2008/04/20 17:04
ソニー・ロリンズがまた来日します。2005年11月の来日の際、これが最後というふれこみだったので、これはもう巨匠の最後のライブを見届けなければと思って、アリーナのとっても高いお値段の席を確保して聴きに行ったのに。また来たのね。最後の曲は全員総立ちで泣きながら手を振って見送ったのにね。まぁ、でもそのときもみんな言ってたっけ。「たぶんまた来るよ」って。
ソニー・ロリンズのアルバムで一番好きなのはこの「ヴィレッジバンガードの夜」というライブです。もうだいぶ前にニューヨークに行ったとき、夜の街を徘徊するのは怖かったけど、やっぱり自分の目で確かめたくて出かけていったものです。
地下のそれほど広くないところで、全然知らないピアノトリオが「朝日のようにさわやかに」を演奏していたのでした。確かワンドリンクで10ドルくらいだったので、これなら毎日これるなぁ、と思ったのを覚えています。
またいきたいなぁ。
Bill Evans ― 2008/04/15 23:12
ビル・エヴァンスのExplorationsというアルバムです。最高です。何が最高って、やっぱり僕としてはこのアルバムの「Beautiful Love」が本当、最高。スコット・ラファロのベースもいいですね。こんなに執拗に絡みつくベースってほかにないし、ベースをこんなに意識して聴くようになったのも、やはりこの人のおかげです。
「もしスコット・ラファロがあのとき交通事故で死ななければ」と何度も考えたことがあります。もし、もう少し、後何回かでもビル・エヴァンスとの競演(共演ではなく)ができて、アルバムを残してくれていたら・・・と、思います。
Beautiful Loveはメロディーは単純だけど、なぜか郷愁を誘う曲で、二人がこの曲をこういう風にアルバムに2テイク残してくれたことで、48年後の僕が感動を新たにできる、それはやっぱりすごいことで、そういう風に残っていくというか後世の批判に耐えていく作品は数少ないだけに貴重なのかなと、改めて思うのでした。
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